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デブで不潔な女子を主人公にした『マンガ肉と僕』 作者の意図は?

2014.12.16 DEC 10:45
肉女と10年ぶりに再会した青年が知ったある秘密。朝香式の『マンガ肉と僕』。

俊英・杉野希妃監督の手で映画化された『マンガ肉と僕』。この原作は、「女による女のための文学賞」と呼ばれる新人公募の文学賞「R-18文学賞」の第12回大賞受賞作だ。

タイトルにもなっているマンガ肉とは、<アニメの原人が食べていたマンモス肉の形に似せた、骨付きのから揚げ>のこと。そのマンガ肉とスナック菓子を食べまくる、デブで不潔な<肉女>熊堀サトミと、彼女にパシリ扱いされていた<僕>ことワタベの、滑稽で切ない関係性を描いた本作の作者、朝香式さんに話を聞いた。

物語の冒頭、ヒロインらしからぬ風貌で登場するサトミについて、朝香さんはこう話す。

「女性にとって見た目のインパクトは重要で、第一印象の良し悪しでその後の人間関係まで決まってしまったりします。サトミのように周囲から浮く外見だと、話してみるとすごくいい子だとしても、理不尽に扱われてしまうことがあるのを、私もしばしば見てきました。他者に対して想像力を持って接することの大切さを、物語を通して伝えたいと思ったんです」

学生時代にワタベの憧れだった本多菜子や、サトミが働いていた飲食店の常連で好意を寄せ合うアルパカ男こと本城など、鮮やかな人物リンクを通して描かれる男女の関係は、絶妙で複雑だ。

なかでも、ワタベや本城といったモテキャラ男性の描写に、朝香さんの辛辣な観察眼が生きている。

たとえば、ワタベのキャラを言い得た<エア感ある>という表現。

「私に言わせれば、強烈な女の子より、人当たりは優しいけれど、無自覚に人を傷つけていくワタベ君とかがむしろモンスター。内面に何もない空っぽさをどう表すかと考えて浮かんだ言葉です。選考委員の三浦しをんさんに『こういう男が大嫌い』と言われ、リアルな人物のように思っていただいたのがとてもうれしかったです(笑)」

※『anan』2014年12月17日号より

(by anan編集部)