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まるでCGのような舞台! カナダ人演出家ルパージュ、4年ぶり来日公演

2015.10.05 OCT 22:00
元々の作品は'91年初演。この作品を機にルパージュの名前が世界に広まった。映し出されているビル群や建物の壁は映像だけれど、窓から顔を出す人間は生の俳優だ。一体、どうなってるの? その答えは劇場で。(C)Nicola Frank Vachon元々の作品は'91年初演。この作品を機にルパージュの名前が世界に広まった。映し出されているビル群や建物の壁は映像だけれど、窓から顔を出す人間は生の俳優だ。一体、どうなってるの? その答えは劇場で。(C)Nicola Frank Vachonこれも背景は映像。本当にパリの街を歩いているように見えるから不思議。(C)Nicola Frank Vachon

舞台の真ん中に設置された丸型のガラス窓が、ドラム式洗濯機の丸いガラスの扉や宇宙船のハッチになり、時計に変わる。そして、平面に映し出された映像の階段を、舞台上の俳優が上っていく。

いまのCG技術ではどんな壮大な映像にも驚きはないけれど、これが実際に生の舞台の上で繰り広げられているとわかれば、そのすごさは伝わるだろうか。

これはどちらも、カナダ人演出家、ロベール・ルパージュの舞台のワンシーン。このルパージュとは、同じケベックで生まれたシルク・ド・ソレイユや、ニューヨークのメトロポリタンオペラなども手掛ける人気演出家。“映像の魔術師”という異名があるとおり、その舞台は映像や照明などを駆使したもの。舞台に映像を使うのは珍しくないけれど、それが単なる風景ではなく、俳優の動きと連動して、不思議な世界を目の前で見せてくれるのだ。そのひとつひとつの場面は美しく、それだけでアートのよう。そんな映像のマジックに驚いているうちに、気づけばルパージュが広げた“想像力”という名前のファンタジックで自由な世界に放り込まれているのだ。

そのルパージュの舞台が、4年ぶりに日本で上演される。今回来日する作品『Needles and Opium 針とアヘン~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~』は、世界中から上演のオファーが引きも切らない彼の代表作のひとつ。なんと今回は、最新技術を用いた二人芝居として、ルパージュ自身が再構築した完全リニューアル版。

このタイトルにある針とは、ヘロイン中毒で苦しんだジャズトランペッター、マイルス・デイヴィスを示唆したもの。そしてアヘンは、一時期アヘン中毒に陥ったことのある詩人で劇作家のジャン・コクトー。失意のどん底でパリを訪れた男が、マイルスの音楽とコクトーの言葉とが行き交う幻惑の世界に誘われていく物語だ。観客はただ、劇場で繰り広げられる世界に身を委ねていればいい。劇場の遥か向こうにあるファンタジーの世界へと自然と導かれていくはずだから。

■『Needles and Opium 針とアヘン~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~』10月9日(金)~12日(月) 三軒茶屋・世田谷パブリックシアター 作・演出/ロベール・ルパージュ S席7500円 SA席7000円 SB席7000円 A席5500円(すべて税込み) 世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL:03・5432・1515(10:00~19:00) http://setagaya-pt.jp/


※『anan』2015年10月7日号より。文・望月リサ

(by anan編集部)