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「日本を誰が守るか」日米同盟の歴史から“防衛”を堀潤が解説

2015.12.07 DEC 12:00
「日本を誰が守るか」日米同盟の歴史から“防衛”を堀潤が解説

意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「日米同盟」です。

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日米同盟とは、日本とアメリカの同盟関係のこと。日米安全保障条約が基本になっています。日米同盟の歴史は、第二次世界大戦にまで遡ります。日本は戦争に負けたあと連合国軍のGHQに占領されました。そして1951年にサンフランシスコ平和条約が結ばれ、民主主義国家として主権を回復します。そのとき、日本軍を再編するかどうかが問題になったのですが、GHQのマッカーサーが許可しませんでした。

日本が軍隊を作らないかわりにアメリカ軍が日本を守ることになり、他国の軍隊は撤退。このとき、「日米安全保障条約」が結ばれました。ところがそれは、米軍が日本を治めるという不平等な内容だったんですね。その後、本来の主権を取り戻そうと、’60年に改定。「日米地位協定」が結ばれました。集団的自衛権を使って、引き続きアメリカ軍は日本を守る。そのかわり日本は米軍に土地を無料で提供する。しかも、基地内の事件を日本の司法は裁くことができません。これも不公平と、反米、反戦運動がさかんになりました。学生のデモ隊と警官が衝突する「安保闘争」のニュース映像はみなさんもご覧になったことがあるでしょう。

その後アメリカは何度か軍の撤退を匂わせたんですが、実は撤退してほしくない事情が日本にはあった。というのも米軍がいるおかげで、日本は防衛費をかけずに経済成長に集中できたんですね。また、米軍が日本にいるということでロシア(旧ソビエト)や中国、北朝鮮など周辺諸国に対して抑止力になっていました。

’78年からは通称「思いやり予算」(在日米軍駐留経費負担)として、日本に駐留する米軍の経費の一部を日本が持つという気遣いもはじめました。戦後70年たってもアメリカの傘下にあり、強く言えない立場のままでいいのか、という意見もあります。でも、日米関係を本当にフェアにしようとしたら日本は軍隊を持ち、危険にさらされながら自分で身を守らなければいけなくなります。少ない財政のなかから、それだけの軍事費を何を削って捻出すればいいのか? 日米同盟は、「日本を誰が守るか」という問題に直結する、いままさに転換期にきているんですね。

◇ほり・じゅん ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN


※『anan』2015年12月9日号より。写真・中島慶子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)