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本当にあったら行きたい! スナックでのドタバタ劇描いた漫画

2015.12.22 DEC 08:00
菜月(23歳)、琴音(20歳)、加奈(21歳)はスナックのホステス。彼女たちを軸にマスターを巻きこんで進む、コミカルでほろりとする会話劇。KADOKAWA/角川書店 980円菜月(23歳)、琴音(20歳)、加奈(21歳)はスナックのホステス。彼女たちを軸にマスターを巻きこんで進む、コミカルでほろりとする会話劇。KADOKAWA/角川書店 980円(C)青野春秋/KADOKAWA

スナック「ころあい」で働く3人のワケあり女子が、しょうもない会話に花を咲かせ、やがて半歩だけ前へ踏み出す。青野春秋さんの『ガールズトーク』には、切なさとドタバタが叙情たっぷりに描かれている。

「僕自身がスナックが好きで、舞台にしました。女性のいるお店では、普通はお金を使えばちやほやしてもらえる。けれど現実のスナックって、うんと年上のママにいなされる人生修練の場なんですよね。自分が男としてまだまだなんだと思い知らされ、向上心がわきます。色恋抜きでも、本当にあったら行きたくなる。そんなお店にしてみました」

登場するのは、生い立ちが不憫、孤独が友達、いまの境遇に難ありなど、何らかのもの哀しさを背負った個性派揃いの女の子たち。

「彼女たちはいつもふざけているんですけど、心の奥底では哀しいことを考えてしまう。僕自身がそうなんです。空気に合わせて楽しそうにはしますけど、我を忘れてはしゃぐことができない。ただ最近は、人とつながってバカ話をして一日一日を楽しむ、自分をいたわる瞬間を大切にしてほしいなという気持ちが強くなった。この本に限らず、僕の現在の大きな創作テーマになっています」

青野さんはあまり登場人物に感情移入して描かないそうだが、「この作品では、強いていえば僕がマスターの位置。彼は、女の子たちがヘンなことをしゃべっているととまどうんですが、そこが笑うとこですよ、という目印にもなっています」

巻末には、阿川佐和子さんとのディープな対談が収録されている。

「阿川さんが聞き上手すぎて、ふだん話さないようなことまで引き出されてしまい、妙に重い対談に。本当は、僕が阿川さんを口説いてたしなめられるという展開にしたかったんですが、話術に完敗しました(笑)」

現在、「スラップスティック」「100万円の女たち」など、週刊誌を含む3つの連載を抱える。

「『ガールズトーク』のときは、4つの連載をほぼ同時期にスタートさせる荒業に挑戦して死にかけたのに、またやる気を出しちゃいました。いえ、まだ本気は出していません」

◇あおの・しゅんじゅう マンガ家。1979年、茨城県生まれ。『俺はまだ本気出してないだけ』で話題に。近著に『スラップスティック』など。お笑い芸人「ブランコ」のプロデュースも。

◇菜月(23歳)、琴音(20歳)、加奈(21歳)はスナックのホステス。彼女たちを軸にマスターを巻きこんで進む、コミカルでほろりとする会話劇。KADOKAWA/角川書店 980円、(C)青野春秋/KADOKAWA


※『anan』2015年12月25日号より。写真・水野昭子 インタビュー、文・三浦天紗子

(by anan編集部)