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生きざまに感服! 平均年齢60歳ホステスの高齢バーが舞台『その女ジルバ』

2016.01.05 JAN 08:00
高齢バーを舞台に繰り広げられる人間賛歌。最新刊は、伝説のママ・ジルバの人生が徐々に明かされる重厚な展開に。ビッグコミックオリジナル増刊で連載中。小学館 552円高齢バーを舞台に繰り広げられる人間賛歌。最新刊は、伝説のママ・ジルバの人生が徐々に明かされる重厚な展開に。ビッグコミックオリジナル増刊で連載中。小学館 552円ありま・しのぶ マンガ家。福島県出身。代表作に『モンキー・パトロール』『ホテルポパン』など。ビッグコミックオリジナルで連載中の「あかぼし俳句帖」の原作も担当している。(C)有間しのぶ/小学館

こんなお店があったら通いたい。いやむしろ働きたい! 物語の舞台は、ホステスの平均年齢が60歳を超える高齢バー。昼間は大手スーパーの倉庫で肉体労働に従事する、恋人なし、貯金なしの40歳独身・笛吹新は「アララ」という源氏名で、新米ホステスとして働き始める。

「たとえば40歳を越えると、30代がすごく若く見えるもの。30歳になったから好きな人に告白するのを諦めたなんて話を聞くと、何やってんの! って思います。自分の立ち位置しか見えていないと、女として終わりだとか、世の中にもう必要とされていない、などと悲観してしまう。そんなことはないですよっていうことを描きたかったんです」

将来に希望を見出せずにいたアララは、お店でまさかのギャル扱いされることで年齢の枷が外れ、自分の居場所と感じるように。タイトルのジルバとは店を創設した伝説のママの名前で、日本に帰国したブラジル移民。彼女とともに酸いも甘いも噛み分けてきた5人の現役ホステスが実に愉快で、なかでもジルバ亡き後の店を守るくじらママに癒される。

「アララのように親元を離れてひとりで暮らしている女性は、すぐに泣きつくことのできる場所がありませんよね。だからくじらママは、ちょっとやりすぎなくらいアララを受け入れて、見守って、甘やかすような存在にしようと思ったのです」

戦後の貧しい時代を助け合って生き抜いてきたママたちは、本当の家族以上に結束が固い。擬似家族は、有間さんがずっと興味を持ち続けてきたテーマのひとつでもある。

「他人だから嫌なら別れられるのだけど、補い合ったり支え合ったり、ときには放っておいたりなど、人間関係の自由さに惹かれます」

他愛ないやり取りにケラケラ笑ったかと思いきや、人間味溢れるエピソードにほろりと泣かされ、ジルバをはじめとするママたちの誇り高い生き様に感服する。本を閉じる頃には、年をとるってステキだなあと元気と勇気と得体の知れぬ万能感が!

◇高齢バーを舞台に繰り広げられる人間賛歌。最新刊は、伝説のママ・ジルバの人生が徐々に明かされる重厚な展開に。ビッグコミックオリジナル増刊で連載中。小学館 552円

◇ありま・しのぶ マンガ家。福島県出身。代表作に『モンキー・パトロール』『ホテルポパン』など。ビッグコミックオリジナルで連載中の「あかぼし俳句帖」の原作も担当している。(C)有間しのぶ/小学館


※『anan』2015年12月30日‐2016年1月6日合併号より。写真・森山祐子 インタビュー、文・兵藤育子

(by anan編集部)