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不器用女子の恋愛あるある満載 マンガ『溺れるようにできている。』が面白い

2016.01.31 JAN 15:00
(C)シギサワカヤ /白泉社(C)シギサワカヤ /白泉社2008年に刊行された単行本に、後日談2本、番外編5本などおまけを詰め込んで復刊。著書の『九月病』『ファムファタル』で活躍した姉妹ネタもちらり登場。白泉社 820円しぎさわかや マンガ家。『未必の恋』『ヴァーチャル・レッド』など、著書多数。年3回発行の恋愛系コミック誌『楽園』に「お前は俺を殺す気か」を連載中。同コミックは、現在3巻まで刊行

片思いしていた8つ年上の幼なじみ・圭ちゃんに告白し、つき合うことになった佳織。

優しくて頼りになって自分と同じで食べることが大好きな圭ちゃんとの恋は、特急で2時間離れた遠距離とはいえ、十分幸せなはず。なのに、恋に不慣れで自信のない佳織は、ちょっとした食い違いで妄想し、心が揺れる。

そんな不器用女子のピュアな恋愛模様を描くシギサワカヤさんの『溺れるようにできている。』が面白い。

「キレイなロマンスだと思ってくださるのはうれしいですが、たいがいは、互いに言わなくていいことを言って、『たまにコイツいらぬことを言うよな』とか思い合うようなトホホなエピソードが積み重なっていくお話です。恋愛の場面で見聞きした体験をアレンジして『こういうことってありません?』と読者に問いかける感じですね」

実際、恋は互いの思惑がズレるもの。たとえば、圭ちゃんは佳織の腹肉を好きだから揉みたがるが、佳織にとってはコンプレックスを刺激されているように感じる。それがふたりの関係を変質させてしまうかもしれないのだが、シギサワさんは、そうしたあるあるネタやそのとき生まれる感情のひだをていねいに描く。

「はたから見ればラブラブなカップルだけど、安住したままずっとハッピーなままの恋愛ってないと思う。問題が出てきたときに、『それもいいね』と受け入れるか、『どうしてもいやだ』と解決しようとするか、長続きさせるためにはどちらかが必要です。私の中にはいつも『くっついたからって、油断するなよ』という気持ちがあって、ついそういう展開にしてしまうんですよね」

最初、カッコいい大人の男に見えていた圭ちゃんだが、「私、仕事とかデキる人っぽい男性の、ダメさがどんどん露呈してくる感じが好物で(笑)。でも、極端な思い込みで相手を責めたり、逆に相手にステキイメージを勝手にかぶせてあとで幻滅したりしなければ、当人たちにとってはステキな恋になると思うんですよ」

佳織と圭ちゃんのいいところと悪いところがぶつかり合うさまはじれったくて、だからこそ恋愛っていいなと思う。恋からすっかり遠ざかってココロが砂漠化しかかっている女子にこそ、読んでほしい一冊だ。

◇2008年に刊行された単行本に、後日談2本、番外編5本などおまけを詰め込んで復刊。著書の『九月病』『ファムファタル』で活躍した姉妹ネタもちらり登場。白泉社 820円

◇しぎさわかや マンガ家。『未必の恋』『ヴァーチャル・レッド』など、著書多数。年3回発行の恋愛系コミック誌『楽園』に「お前は俺を殺す気か」を連載中。同コミックは、現在3巻まで刊行。

※『anan』2016年2月3日号より。写真・森山祐子 (C)シギサワカヤ インタビュー、文・三浦天紗子

(by anan編集部)